【完全解説】リップルとSECの訴訟の背景・影響・日本での動向

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まりか | 【近未来ブログ】DXのすこし先へ

【著者名】"まりか"

神奈川県横浜市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。

外資系大手証券会社で、アナリストとして海外情勢やブロックチェーン技術についての調査・コンサルタント業務に従事。
5年間の業務の後に、AI・ブロックチェーンのベンチャー企業に「マーケティング責任者(CMO)」として参画。

Web3.0、仮想通貨、AI活用などのマーケティング業務を行う。2年前に独立・起業。現在は、在宅で中小企業向け「DXコンサルタント」をしながら、黒猫とのんびり暮らしています。

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【完全解説】リップルとSECの訴訟の背景・影響・日本での動向

こんにちは、まりかです。今回は、リップルとSECの訴訟について、その背景や影響、日本での動向などをわかりやすく解説していきたいと思います。

リップルとは、仮想通貨の一種であり、国際送金に特化した分散型台帳技術を提供するRipple社が開発したものです。リップルは、高速で低コストな送金を可能にするという特徴があり、世界中の多くの金融機関や送金事業者と提携しています。日本では、SBIグループがRipple社と共同でSBI Ripple Asiaを設立し、日本とアジアの間でリップルを活用した送金サービスを展開しています⁶。

しかし、リップルは2020年12月に米国の証券取引委員会(SEC)から訴えられるという衝撃的なニュースが飛び込んできました。SECは、Ripple社が2013年以降に行ったリップルの販売は未登録の証券販売にあたるとして、Ripple社とその幹部2名を告発しました¹。SECは、リップルは投資契約である「証券」に分類されるべきだと主張し、Ripple社はそれを否定しました。この訴訟は、仮想通貨業界全体に大きな影響を与える可能性があります。

目次

リップルとSECの訴訟の背景

リップルとSECの訴訟の背景には、仮想通貨の法的な分類に関する混乱があります。米国では、仮想通貨は「証券」か「商品」か「通貨」かによって、異なる規制機関の管轄下に置かれます。例えば、「証券」であればSEC、「商品」であれば商品先物取引委員会(CFTC)、「通貨」であれば金融犯罪執行ネットワーク(FinCEN)などがそれぞれ規制することになります。

しかし、仮想通貨がどのカテゴリーに属するかは一概には言えません。仮想通貨の特徴や目的、発行方法や流通状況などによって異なります。そのため、仮想通貨を「証券」として扱うべきかどうかは、それをスコアに基づいて判定する「ハウィー(Howey)テスト」によって判断しなければなりません。このテストでは、投資契約(この場合は証券)は「他者の努力から得られる利益を合理的に期待しつつ共通の事業に金銭を投資すること」と定義されています。

SECはこのテストを用いて、リップルが「証券」であると主張しています。SECは以下のような理由を挙げています。

– Ripple社はリップルの販売によって13億ドル以上の資金調達を行った

– リップルの購入者はRipple社やその幹部の努力から利益を得ることを期待した

– リップルの価格はRipple社やその幹部の発言や行動に影響された

– リップルの購入者はRipple社と共通の事業に関与した

一方、Ripple社はリップルが「証券」ではなく「商品」であると反論しています。Ripple社は以下のような理由を挙げています。

– リップルはRipple社とは独立したオープンソースの技術であり、Ripple社の存続や管理に依存しない

– リップルの購入者はRipple社との契約や関係を結ばない

– リップルの購入者はRipple社から利益や配当を受け取らない

– リップルは送金や決済などの実用的な機能を持つ

– リップルは他の仮想通貨と同様に、CFTCやFinCENなどの規制機関から「商品」や「通貨」として扱われてきた

このように、リップルとSECの訴訟は、仮想通貨の法的な分類に関する根本的な問題を浮き彫りにしています。この訴訟の結果によって、仮想通貨業界における規制やイノベーションの方向性が大きく変わる可能性があります。

リップルとSECの訴訟の影響

リップルとSECの訴訟は、リップル自体だけでなく、仮想通貨市場全体にも大きな影響を与えています。特に、以下のような点が注目されています。

– リップルの価格や流動性の低下

– リップルと提携する金融機関や送金事業者の動揺

– 他の仮想通貨への規制当局の介入の可能性

まず、リップルの価格や流動性は、訴訟発表後に大きく下落しました。2020年12月21日に約0.5ドルだったリップルは、2021年1月4日には約0.2ドルまで暴落しました。また、多くの仮想通貨取引所がリップルの取引や上場を停止したり、廃止したりする措置を取りました。例えば、CoinbaseやBinance.USなどの大手取引所がリップルの取引を停止しました。これらの措置は、リップルの市場参加者や投資家に不安や不信感を与えました。

次に、リップルと提携する金融機関や送金事業者も、訴訟によって影響を受けました。リップルは、国際送金における高速化や低コスト化を目指して、世界中の多くのパートナーと協力してきました。しかし、訴訟によってリップルが「証券」であると判断されれば、それらのパートナーもSECの規制対象となる可能性があります。そのため、一部のパートナーはリップルとの関係を見直す必要があるかもしれません。例えば、米国最大手の送金事業者であるMoneyGramは、2021年2月にRipple社との提携を

一時的に停止したと発表しました。MoneyGramは、Ripple社からの市場開発手数料を受け取っていたが、訴訟の影響でそれが途絶えたと述べました。

最後に、他の仮想通貨への規制当局の介入の可能性も高まりました。リップルとSECの訴訟は、仮想通貨の法的な地位や規制の枠組みに関する先例となる可能性があります。そのため、他の仮想通貨も同様に「証券」であると判断されるリスクがあります。例えば、ステラ(XLM)やイーサリアム(ETH)などの仮想通貨も、リップルと同じく分散型台帳技術を用いており、発行者や開発者の影響を受ける可能性があります。これらの仮想通貨もSECの規制対象となれば、市場に混乱や不安が広がるかもしれません。

リップルとSECの訴訟の日本での動向

リップルとSECの訴訟は、日本でも注目されています。日本はリップルに対して比較的寛容な姿勢を示しており、リップルと提携する金融機関や送金事業者も多く存在します。日本では、以下のような動きが見られています。

– 日本の仮想通貨取引所はリップルの取引を継続

– 日本の金融庁はリップルを「暗号資産」として認める

– 日本のSBIグループはリップルへの支持を表明

まず、日本の仮想通貨取引所は、米国とは異なり、リップルの取引を継続しています。例えば、bitFlyerやbitbankなどの大手取引所は、リップルに関する最新情報をユーザーに提供しつつ、取引や入出金に支障はないと発表しました 。これらの取引所は、日本ではリップルが「暗号資産」として認められていることや、米国での訴訟が日本での取引に影響しないことを理由に挙げています。

次に、日本の金融庁は、リップルを「暗号資産」として認めています。金融庁は2020年5月に改正された資金決済法に基づいて、「暗号資産」(仮想通貨)として扱われるものを定めています。その中には、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)だけでなく、リップル(XRP)も含まれています。金融庁は、「暗号資産」に対しては「証券」として扱われる場合もあることを認めつつも、「暗号資産」であることが明確な場合は「証券」ではないという立場を取っています。

最後に、日本のSBIグループは、リップルへの支持を表明しています。SBIグループはRipple社と戦略的パートナーシップを結んでおり

SBIグループはRipple社と戦略的パートナーシップを結んでおり、日本とアジアでリップルを活用した送金サービスを展開しています。SBIグループの代表取締役社長である北尾吉孝氏は、リップルとSECの訴訟について、「日本ではリップルが暗号資産として認められており、米国の判断に影響されない」と述べました。また、北尾氏は、リップルが勝訴すれば、SBIグループがリップルの株式を買い増す可能性があるとも示唆しました。SBIグループは、リップルの技術やビジョンに強い信頼を寄せており、今後も協力関係を維持していくと見られています。

リップルとSECの訴訟の今後の展望

リップルとSECの訴訟は、2021年2月に正式に裁判所で開始されました。現在は、双方が互いに証拠開示や反論などを行っており、まだ結論は出ていません。しかし、仮想通貨業界や金融業界からは、この訴訟に対するさまざまな見解や期待が寄せられています。例えば、以下のような可能性が考えられます。

– 和解による解決

– 訴訟の長期化や複雑化

– 規制当局や立法府の動き

まず、和解による解決が最も望ましいという意見があります。和解とは、双方が互いに譲歩して合意に達することです。和解によって、リップルとSECの対立を早期に終わらせることができます。また、和解によって、リップルが「証券」であるかどうかという問題を回避することもできます。例えば、リップルがSECに罰金を支払ったり、将来的な販売方法や規制への準拠を約束したりすることで、和解に至る可能性があります。

しかし、和解には両者の意思が必要です。現在のところ、リップルもSECも強気な姿勢を崩していません。特にSECは、新たな委員長にゲンスラー氏が就任したことで

特にSECは、新たな委員長にゲンスラー氏が就任したことで、仮想通貨に対する規制強化の姿勢を強めていると見られています。ゲンスラー氏は、過去にリップルが「証券」であると発言したことがあります。そのため、SECが和解に応じる可能性は低いと考えられます。

次に、訴訟の長期化や複雑化が予想されるという意見があります。訴訟は、リップルが「証券」であるかどうかという問題だけでなく、他にも多くの争点を含んでいます。例えば、以下のような点が挙げられます。

– SECがリップルの販売を遅すぎたとして時効を主張するかどうか

– SECがリップルの販売を違法と認識していたかどうか

– SECがリップルの販売に関する公正な通知を行ったかどうか

– SECがリップルの販売に関する内部文書やメールなどの証拠開示を拒否するかどうか

– SECがRipple社の幹部2名に対して個人的な責任を追及するかどうか

これらの争点は、それぞれ法的な根拠や判断基準が異なります。そのため、裁判所はこれらの争点を一つ一つ検討しなければなりません。また、双方は互いに反論や異議申し立てを行うこともできます。これらの過程は時間や手間がかかるため、訴訟の結末までには数ヶ月から数年かかる可能性があります。

最後に、規制当局や立法府の動きが期待されるという意見があります。訴訟は、仮想通貨に対する規制や法律の不備や不透明さを浮き彫りにしています。そのため、仮想通貨業界や金融業界からは、規制当局や立法府による明確で公平な規制や法律の整備を求める声が高まっています。例えば、以下のような動きが見られています。

– 仮想通貨業界団体や投資家からのSECへの批判や圧力

– 仮想通貨に関する法案や提案の議会への提出

– 仮想通貨に関する専門家や関係者からの意見聴取や証言

これらの動きは、仮想通貨に対する社会的な関心や理解を高めることができます。また、規制当局や立法府は、仮想通貨のイノベーションや競争力を損なわないように、バランスの取れた規制や法律を策定することが求められます。

まとめ

リップルとSECの訴訟は、仮想通貨業界における歴史的な事件と言えるでしょう。この訴訟は、仮想通貨の法的な分類や規制に関する根本的な問題を提起しています。

この訴訟の結果は、リップル自体だけでなく、仮想通貨市場全体に大きな影響を与える可能性があります。特に、日本ではリップルに対して比較的寛容な姿勢を示しており、リップルと提携する金融機関や送金事業者も多く存在します。そのため、日本の仮想通貨業界や金融業界は、この訴訟の動向に注目しています。

私は、Webライターとして仮想通貨に関する記事を多く書いてきましたが、この訴訟は私にとっても大きな関心事です。私は、仮想通貨が持つ革新的な可能性や社会的な価値を信じており、仮想通貨に対する規制や法律がそれを支えるものであってほしいと思っています。しかし、現状では、仮想通貨に対する規制や法律は不十分で不透明であり、仮想通貨業界や金融業界に不安や混乱をもたらしています。

そのため、私は、リップルとSECの訴訟が、仮想通貨に対する規制や法律の整備につながることを期待しています。また、私は、リップルが「証券」ではなく「暗号資産」として認められることを望んでいます。私は、リップルが国際送金における高速化や低コスト化を実現するというビジョンに共感しており、リップルがその役割を果たすことができるようになることを願っています。

この記事では、リップルとSECの訴訟について、その背景や影響、日本での動向などをわかりやすく解説しました。この記事が、リップルに関心のある方や仮想通貨に関心のある方の参考になれば幸いです。この訴訟はまだ終わっていませんが、今後も最新情報を追っていきたいと思います。

よくある質問と答え

Q1: リップルとSECの訴訟の背景は何ですか?

A1: 2020年12月に、アメリカの証券取引委員会(SEC)は、リップルとそのCEOであるBrad Garlinghouse氏、共同創業者のChris Larsen氏に対して、訴訟を起こしました。SECは、リップルが未登録の証券を販売したと主張しています。具体的には、リップルのネイティブトークンであるXRPの販売が、証券法に基づく登録の手続きを経ずに行われたというのが主な内容です。


Q2: この訴訟の影響は何ですか?

A2: 訴訟の発表後、多くの暗号資産取引所がXRPの取り扱いを停止したり、アメリカのユーザー向けの取引を制限したりする動きが見られました。これにより、XRPの価格は一時的に大きく下落しました。また、この事件は暗号資産業界全体に影響を与え、他のプロジェクトやトークンもSECの規制の対象となる可能性が議論されるようになりました。


Q3: 日本ではこの訴訟にどのような反応がありましたか?

A3: 日本の主要な暗号資産取引所は、多くの場合、XRPの取引を継続しています。日本の規制当局や専門家の間での見解は、XRPが証券と見なされるかどうかについては明確ではなく、アメリカの裁定が日本の市場に直接的な影響を持つわけではありません。ただし、多くの日本の投資家がこの訴訟の動向を注視しています。


Q4: リップルはどのようにして訴訟に対応していますか?

A4: リップルは、XRPを証券として分類するSECの主張に対して強く反論しています。リップルはXRPが通貨であり、証券ではないとの立場を取っており、公的な文書や声明を通じてその主張を続けています。また、リップルは訴訟のプロセスにおいて、積極的に自らの立場を防御しています。


Q5: この訴訟の結果は暗号資産業界全体にどのような影響をもたらすと予想されますか?

A5: この訴訟の結果は、暗号資産業界全体の将来の規制環境や、トークンの分類に関する基準に影響を与える可能性があります。勝訴すれば、他の暗号資産プロジェクトも同様のリスクを回避できる可能性がありますが、敗訴の場合、業界全体が厳しい規制環境に直面する可能性が考えられます。

参考書籍

– 『リップル革命』ジェフ・ハイナー著 東洋経済新報社

– 『仮想通貨の法律』山口真由美著 日本評論社

– 『仮想通貨入門』山口周著 ダイヤモンド社


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